ヒルトンが攻める2025年秋：コンラッド・ハンブルクとウォルドーフ・アストリア・ヘルシンキほか注目ホテルまとめ

2025年9月19日発表｜ヒルトン 公式プレスリリースを日本語で紹介します。

ヒルトンはこの秋、欧州・北欧・アジア・北米にかけて一気にラグジュアリーとライフスタイル、そして長期滞在型ブランドを投入すると発表しました。ドイツには初の「コンラッド・ホテルズ＆リゾーツ（Conrad Hamburg）」、北欧には待望の「ウォルドーフ・アストリア・ヘルシンキ（Waldorf Astoria Helsinki）」が登場。さらに上海ではライフスタイルブランド「Canopy by Hilton」の初進出に加え、2軒目となる「Waldorf Astoria Shanghai Qiantan」も開業予定です。今回は公式リリースだけをもとに、旅行好きの方にもホテルファンにもわかりやすく整理してご紹介します。

今回の発表のポイント

• ラグジュアリーではハンブルクとヘルシンキという新マーケットに進出
• 上海・バンコクなど日本から行きやすい都市でも新規開業が集中
• ヒルトン全体としては、ビジネス・レジャー・長期滞在のそれぞれにブランドを当てはめる「層の厚さ」をさらに強化
• 既存リゾートの大型改装（ロスカボス、クチンなど）も2025年内に完了予定

---

1. まず押さえたいハイライト開業

Conrad Hamburg（ドイツ・ハンブルク／2025年9月開業）

ドイツで初となるコンラッドが、ハンブルク中心部の歴史的建造物「Levantehaus」内にオープンします。客室は283室、プレジデンシャルスイートは232㎡＋バルコニー＋暖炉というヨーロッパ都市型としてはかなりゆとりあるつくり。ラテンアメリカ料理を掲げる「GRETA OTO」などダイニングも特徴的で、1,000㎡規模のスパとハンブルク最長のインドアプールを備えるなど、ビジネス都市にラグジュアリーリゾート要素を持ち込む構成になっています。歴史建築×コンラッドという組み合わせは欧州でも注目されそうです。

Waldorf Astoria Helsinki（フィンランド・ヘルシンキ／2025年10月開業予定）

北欧初のウォルドーフ・アストリアは、1885年建築の歴史的建物を活かした116室のブティックラグジュアリー。シグネチャーバー、フィットネス、スパに加え、フィンランド式サウナをしっかり入れてきたのがポイントです。パリやローマで人気の「歴史建築を現代的に再解釈する」ウォルドーフ路線を北欧でも踏襲した形になります。

上海の2つの動き

1. Canopy by Hilton Shanghai Belfry Plaza（2025年9月予定） 上海・金山の「LEGOLAND® Shanghai Resort」至近、3分でパークという立地で、ヒルトン初の上海ライフスタイルホテル。家族でも、若いカップルでも、1人旅でも「ちょっとおしゃれに泊まりたい」を想定したトーンです。
2. Waldorf Astoria Shanghai Qiantan（2025年10月予定） 新CBD「New Bund（前灘）」にできる2軒目のウォルドーフ。黄浦江ビューと、上海らしいグラマラスさを全面に出した“シティラグジュアリー”として計画されています。

アジアでもう1軒注目：KROMO Bangkok, Curio Collection by Hilton（2025年9月予定）

スクンビットのEmporium・EmQuartier・EmSphereに歩けるショッピング便利エリアで、BTSプロンポン／アソークやMRTスクンビットにも行きやすいという、日本人にとっても使いやすい立地。306室すべてに三点式バスルーム、ルーフトップインフィニティプール、10階のクリエイティブスペースなど、バンコク滞在を「ちょっと気分よく」してくれる要素を詰め込んでいます。

---

2. 現地目線での「ここが使える」

• バンコク観光・買い物派 スクンビットのど真ん中で新しめの外資系に泊まりたい、でも超高級まではいらない…という層にKROMOは刺さります。プールとフィットネスがちゃんとしているので、長めの滞在でも飽きにくいです。
• 上海に家族で行く人 レゴランドに隣接するCanopyは「パークに近いけど、味気ないホテルはイヤ」という需要をすくい上げます。Canopyはロビーのデザインや借りられる自転車など“遊び心”が多いので、子ども連れでも写真映えします。
• 欧州出張＋週末観光派 ハンブルクのコンラッドは市内中心で観光にも回しやすく、スパや長いプールでリカバリーできるので、いわゆる「1都市滞在＋周辺都市へ鉄道で移動」の起点にもよさそうです。
• 北欧＆サウナ好き ヘルシンキのウォルドーフは、同ブランドの“クラシックNYラグジュアリー”に北欧のウェルネスをどう混ぜてくるかが見どころ。ヒルトン系ポイントを貯めている方は開業初期にチェックしたいところです。

---

3. ヒルトンのブランド展開をざっくり整理

今回のリリースを見ると、ヒルトンが「上から下まで」きれいに埋めに来ているのがわかります。

• ラグジュアリー層：Waldorf Astoria（ヘルシンキ、上海）、Conrad（ハンブルク）
• ライフスタイル層：Canopy（上海・イズミル・イスタンブール）、Curio Collection（バンコク、ペルージャ、カッパドキア）
• リゾート・MICE強化：Signia by Hilton La Cantera Resort & Spa（サンアントニオ）、Hilton Hyderabad Genome Valley Resort & Spa
• 長期滞在・実用層：LivSmart Studios by Hilton Kokomo、Home2 Suites各地、Spark by Hiltonトロント空港・ポンセなどのエコノミー

つまり「旅行で泊まってもらう」「長く滞在してもらう」「地元客にも使ってもらう」を一つのシーズンで同時に仕掛けている構図です。

---

4. 今後の展望とリノベーションの動き

2025年は新規開業だけでなく、Waldorf Astoria Los Cabos Pedregal（メキシコ）が10月1日に大規模改装を終えて再オープン予定で、客室からビーチクラブ、スパのサロンまで一新されます。さらにマレーシアのHilton Kuchingも客室刷新に加えて、同国初のヒルトン・キッズクラブやエグゼクティブラウンジを整備し、家族・レジャー・MICEを同時に取れる体制に。

この動きから見ると、ヒルトンは「人気リゾートは改装で単価を上げる」「都市部はライフスタイルで面を広げる」「北欧やトルコなど今後伸ばしたいエリアは個性的なコレクションブランドで攻める」という3本立てで2025年のネットワークを組んでいるように読めます。

---

出典・引用元

公式プレスリリース：

Hilton “From the Nordics to Shanghai, Here’s Where Hilton is Opening and Renovating This Season” （2025年9月19日付）

※本記事は公式発表および業界一般情報に基づき、筆者の視点で編集・構成しています。外部メディアの翻訳・転載は行っておりません。

外資系ホテル選びに役立つ関連記事

外資系ホテルのブランド選びに役立つ一覧記事をご用意しています。国内の出店状況や都道府県別ランキングから、旅行先で強いホテルブランドがひと目でわかります。また、会員制度の違いも解説しているので、予約前の比較にぜひご活用ください。

---