アメリカの大手ホテルチェーン「マリオット・インターナショナル(Marriott International)」は、2025年6月18日付の公式プレスリリースにて、2027年末までにアフリカで50以上の新規ホテル(計9,000室超)を開業予定であることを発表しました。これにより、同社のアフリカ地域における存在感は一層強化される見込みです。
マリオットが進出する新市場と注目エリア
今回の発表では、ケープベルデ、コートジボワール、コンゴ民主共和国、マダガスカル、モーリタニアの5カ国に初進出予定であることが明らかになりました。
さらに、今後2年間で開業予定のホテルのうち50%以上は、既存物件のリブランドやリノベーションによるコンバージョン案件です。これは、土地取得や新築よりも早く市場投入できる戦略として、近年注目を集めています。
とくに以下の地域は、開業数の多さからも重点投資先とされています:
- エジプト:北海岸に「アロフト・ガザラベイ」を2027年に開業予定。
- モロッコ:2027年にカサブランカで「ACホテル」ブランド初登場。
- ケニア/タンザニア:サファリ体験型ラグジュアリー施設を中心に拡大。
- ナイジェリア:西アフリカで最大の成長市場、今後6軒の開業を予定。
サファリ×ラグジュアリーという新潮流
特に注目されているのが、サファリ体験と高級リゾートの融合です。2023年に開業した「JWマリオット・マサイマラ・ロッジ」に続き、2025年内には以下の2施設が開業予定です。
- ザ・リッツ・カールトン・マサイマラ・サファリキャンプ(ケニア)
- マピト・サファリキャンプ(タンザニア) – オートグラフ コレクション
これらの施設は、野生動物との出会いやアウトドアアクティビティを重視する旅行者のニーズに応えるだけでなく、「宿泊体験そのものが旅の目的」となる、新しい旅のスタイルを提案しています。
出張者にも観光客にも嬉しい利便性と多様性
マリオットは、ラグジュアリーブランドに加え、ビジネス・トラベラー向けのセレクトサービス系ブランドの展開も積極化しています。
たとえば:
- ナイロビ(ケニア)には「コートヤード・バイ・マリオット」を2027年までに2軒開業予定
- カンパラ(ウガンダ)では、同国初となる「マリオット・ホテル」および「マリオット・エグゼクティブ・アパートメント」が年内開業予定
これにより、観光だけでなく、出張や長期滞在者の利便性も格段に向上します。滞在の目的に応じてブランドを選べる柔軟性は、旅行者にとって大きなメリットです。
マリオット・ブランドとは?〜多様性が生む体験の幅〜
マリオット・インターナショナルは、現在144の国と地域に9,500軒近い物件を展開する世界最大級のホテルグループです。
アフリカでの成長を牽引するのは、以下のブランド群:
- ラグジュアリー:リッツ・カールトン、JWマリオット、オートグラフ コレクション
- プレミアム:マリオット・ホテル、ACホテル、ル・メリディアン
- セレクトサービス:フォーポイント・バイ・シェラトン、プロテアホテルズ、コートヤード・バイ・マリオット、アロフト
ブランドごとの明確なコンセプトにより、「冒険」「快適」「贅沢」など、旅の目的に合った選択肢が揃っているのが魅力です。
今後の展望:アフリカがホテル業界の“新戦場”に
この数年、アフリカでは以下のような構造的な変化が進行しています:
- 観光振興に積極的な政府政策
- 空港・道路などのインフラ整備
- 海外からの投資増加
- ラグジュアリー・アドベンチャー市場の成長
マリオットの今回の発表は、こうした変化を先取りするかたちでの展開強化と言えるでしょう。今後は**「泊まる場所があるから行く」から「泊まりたいホテルがあるから行く」**という動機付けが、アフリカ旅行にも浸透していくかもしれません。
出典・引用元
プレスリリース原文(Marriott International公式)
※本記事は公式発表および業界一般情報に基づき、筆者の視点で編集・構成しています。外部メディアの翻訳・転載は行っておりません。
ブログ「くまねこたび」では、日本に出店している外資系ホテルの一覧や、会員制度の比較なども紹介しています。旅行の参考にぜひご活用ください。

