世界最大級のホスピタリティ企業、ヒルトン(Hilton)は2025年6月2日、同社のラグジュアリー&ライフスタイルポートフォリオが1,000軒目の開業を達成したと公式発表しました。さらに約500軒のホテルが現在開発中であり、今年だけで毎週3軒ペースで新たな高級ホテルを世界中に展開予定です。
同時に、フォード・モーターと提携した新プロジェクトとして、歴史的建造物「ミシガン・セントラル駅」にラグジュアリーブランドNoMad Hotelを開業する計画も発表されました。
ヒルトンのラグジュアリーブランドが世界中で急拡大中
パリ、ケープタウン、ダラス、大阪、コスタリカ、アンマンなど、近年続々と開業してきたヒルトンの高級ホテル群。今回の1,000軒目という節目は、ここ数年の戦略的パートナーシップやブランド拡張、買収を通じた約10万室の新規客室追加という大規模成長の成果です。
注目の今後の開業予定には以下のような物件が含まれています:
- ウォルドルフ・アストリア・ニューヨーク(再開発中)
- コンラッド・アテネ「The Ilisian」
- LXRホテルズ&リゾーツ インド初進出
- タイ初のキュリオ・コレクション by ヒルトン
- ヒルトンブランド200軒目記念となるホテル
また、2024〜2025年の開業済み物件には、ウォルドルフ・アストリア・大阪やサックス・パリ、テンポ・バイ・ヒルトン・ローリーなどがあり、日本やアジアにもブランドの勢いが波及しています。
歴史的駅舎が蘇る──NoMad Detroitプロジェクトとは
ヒルトンは今回、新ブランド「NoMad」をデトロイトに初展開する計画を発表。舞台となるのは、米デトロイトのかつての鉄道の玄関口「ミシガン・セントラル駅」。この歴史的建築は長年放置されてきましたが、フォード・モーター主導で再開発が進行中です。
NoMad Detroitは、この再開発地区「ミシガン・セントラル」の30エーカーのテック&カルチャーハブの中心に位置し、歴史と未来の融合をテーマにした唯一無二のラグジュアリーステイを提供する予定です。
NoMadブランドの特徴であるアールデコ調のデザイン、美食体験、洗練されたサービスが、文化的な再生の象徴として生まれ変わる駅舎に融合。今後のデトロイト観光の目玉となりそうです。
現地滞在者目線の注目ポイント
ラグジュアリー&ライフスタイルホテルの拡充は、観光客だけでなく、ビジネス出張者や地元の高感度層にもメリットがあります。
例えば、ウォルドルフ・アストリア・大阪のような都市型ラグジュアリーホテルは、ハイクラス出張者のニーズを満たすとともに、レストランやスパなど地元住民の利用も増加。さらに、NoMad Detroitのような施設は再開発地域全体の文化的価値を高め、地域経済にも寄与することが期待されています。
ブランド紹介:ヒルトンのラグジュアリー&ライフスタイル戦略とは?
ヒルトンのラグジュアリー&ライフスタイルカテゴリーには以下の主要ブランドがあります:
- Waldorf Astoria(ウォルドルフ・アストリア):伝統的ラグジュアリーの象徴
- Conrad Hotels & Resorts(コンラッド):現代的な高級ホテル
- LXR Hotels & Resorts:ユニークで個性的なラグジュアリー
- Curio Collection by Hilton:独立系の個性派ホテル
- Tapestry Collection by Hilton:地域に根ざした魅力を大切に
- NoMad:デザイン性と文化的背景を融合した新ラグジュアリー
- Canopy by Hilton / Tempo by Hilton / Graduate by Hilton:ミレニアル・Z世代にも響くライフスタイル提案型ホテル
2025年には、これらのブランドだけで150軒以上の新規ホテルが追加予定。ヒルトンは、**“ラグジュアリーの民主化”**を掲げ、単なる高級路線ではなく「体験・文化・滞在価値」を重視するブランド戦略を推進しています。
今後の展望:SLHとの連携や日本・アジアでも加速する展開
ヒルトンは今年、「Small Luxury Hotels of the World(SLH)」との独占提携をさらに拡大し、世界中の個性的なブティックホテルを約450軒までネットワーク化しました。これによりヒルトン・オナーズ会員は、個人経営のラグジュアリーホテルにも滞在・ポイント利用が可能になっています。
日本では、広島にLXRホテルズ&リゾーツが計画されており、東京にはCanopy by Hiltonの新規開業も控えています。アジア・アフリカでのSignia、カナダ・欧州・中東でのTempoの国際展開など、グローバルに一貫した拡大路線が進行中です。
出典・引用元
※本記事は公式発表および業界一般情報に基づき、筆者の視点で編集・構成しています。外部メディアの翻訳・転載は行っておりません。
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